早いもので、前回のYAPC::Hokkaido から3ヶ月経ってたらしいですが、YAPC::Kansai 2017に参加してきました。前回はなぜか、参加後1ヶ月経過してからブログを書くという体たらくだったので今回は帰る前に書きます。
今回のYAPC::Kansaiは「温故知新」がテーマということでしたが、そのテーマどおり、様々な事柄について歴史的な視点で振り返って頂いた発表が多く、個人的には非常にタメになりました。2008年に就職した私ですが、その時点ではエンジニア的な知識はほとんどゼロな状態から始まり、分からないことを調べ続ける日々が10年弱経過し、やっとこさ目の前の仕事だけでなく外の世界も見えるようになってきたところで聞くには丁度良いテーマだったと思っています(10年弱でそれは遅過ぎだろというツッコミは御勘弁を…自認しております…)。
そんな感じで、今回も聞かせていただいた発表について、つらつら書かせて頂こうかなと思います。
実録すぐわかるPerl
この本の著者である深沢さんの発表でした。
私が入社後さほど経たないうちに、そこそこ分かり難い既存Perlコードをメンテするにあたり、凄く役に立った本。いや、ウソです、その当事はイマイチピンとこなかったけど、ある程度の量のPerlコードを見てから再度読んだら「な〜るほど、東芝♪(古いし今はよくない)」って感じになって、一段レベルが上がった気になれた本という方が正しい。もっと早く理解できていれば…と思った記憶があります。
お話としては、自分が使うワンライナーならぬテンライナー、そして社内に展開するツールとしてのPerlについて。細かい話はスライドが公開されることを期待して省きますが、正規表現テスターという味噌蔵はマネしたいと思った。Perlの正規表現は似たようなものが必要になったりするけど、社内ツールとかワンタイム作業だと、使った後は大抵どこか行ってしまうので。ポイントは、まちがえた正規表現も敢えて残すという所でしょうか。MS Officeとの共存も見習いたい、若干諦めてたから…
そんな深沢さんから、今からPerlを始める人にはこれ!という一冊が紹介されていたよ!みんな、もしこれからPerlを始める人がいたら、お勧めしてね!(私はさっきKindleで買ったのでこれから読みます)
2017年春のPerl
@charsbar さん。前回のYAPC::Hokkaidoのおさらいを含めてという感じでした。CentOS5が終わっても、まだだ、まだ終わらんよ!(Solaris10 2018-01 5.8.4)というお話がよかったですね。前回も書きましたが、ミラクル・リナックスさんの素晴らしいサービスがあるので油断は禁物かもしれません。私はこのサービスを使う側になってしまっているので何も言えませんが…
レガシーな Perl システムに DDD(ドメイン駆動設計) を取り入れる
さいとう まさあき (@masakyst)さん。関西人は「まんねん」を使わないというお話でした。
もとい、長期サービスは人の入れ替わり・知識の継承・仕様の肥大化などで色々大変!という、共感の嵐を呼ぶモンスターに対してオブジェクト指向というアイテムで戦っていく勇者達のさくせんについてのお話。要約するとこんな感じでしょうか。
>さくせん >オブジェクト指向
指針が たりない!
>つかう >DDD戦術
DDDを全く勉強していない私が聞いていたところ、あれ?これ普通のオブジェクト指向の話だっけ?という感じになってしまったのですが、まとめでそういう所感が出てきたのでやっぱそうなのか、と思いました。DDDって難しそうということは分かった気がする。
そして、最後のこのワードが凄く重要だと思いました。
「理論が正でなく、チームで共有できたことが正」
正直、「オブジェクト指向」という概念だけでも人によって結構認識が違うので、コードレビューとかで喧嘩になるんですよね… まずは認識を合わせることが大事ですよね。見習いたいけど、難しいんだなあ、これが… そもそも、そんなもの、無いのかもしれないし…
オブジェクト指向と30年付き合ってわかったこと: そんなものは実在しない。
— Yukihiro Matsumoto (@yukihiro_matz) 2016年5月10日
MojoliciousとWebSocketでサーバPush配信
木本 裕紀さんの発表。「サンプルコードPerl入門」にはお世話になってきました。
MojoliciosもWebSocketも、何となくは知ってるけど… 程度だったので凄くよく理解できた気がする。是非何かで使ってみたいと思いました。構想はちょっとあるけどマッチするかはまだ分かっていない…
にしても、前の発表と連続して「Shift-JISとEUC-JPが混在するシステム」の話が出てきてすごくつらい気持ちになった。と思ったら「PerlとPHPが混在」ということでますます恐ろしい気持ちになった。世の中、みんな色々大変なんだよね。勿論、最初にそういう構成にした人だって、悪意を持ってやったわけではないのだから…
#yapcjapanA この、PHPとPerlが混ざってる古いシステム書いたの完全に自分な気がしているw
— hiratara (@hiratara) 2017年3月4日
mail_form.cgi reborn
小飼 弾 (@dankogai)さん, @moznion さんによるスペシャルセッション。主旨はここを参照。
ライブコーディングもさながらに、@dankogaiさんが放つdisの連続が面白かったりw
ここまでdis ったもの
— likk (@likk) March 4, 2017
SMTP
PHP
Emacs
Ubuntu <-new#yapcjapan
そしてライブコーディングの魔物がプロジェクタを落とすという悪行に…
プロジェクタが落ちている間に完成したメールフォームがこちら、という演出と予想#yapcjapan #yapcjapanA
— 聖 (@hijili2) 2017年3月4日
マジで演出じゃないのかと思ったけど外しました。異様な盛り上がりがあり、すごく楽しかったです。あまり時間が無かったですが、修正の一つ一つに重要なポイントがさらりと含まれていて勉強になりました。
Perl ウェブ開発の中世 〜CGI と Plack の間〜
OGATA Tetsuji (@xtetsuji)さんの発表。HTMLの普及から始まるお話はまさに温故知新という感じでした。聞けてよかった。最後におっしゃられていた、
「古い技術が悪、新しい技術が善ではない」
というのは本当に重要だと思います。私も自虐的に以下のようなツイートをしましたが
Perl5.8.8のCGI保守ばかりの俺も自信もってく#yapcjapan #yapcjapanA
— 聖 (@hijili2) 2017年3月4日
実際、上記のCGIはルータの設定UIみたいなものの話で、管理者が一日一回使うか使わないかみたいなものなんですね。そういう場合はCGIで十分なわけです。だから別に刷新とかも必要ないからCGIなんです(Perlのバージョンについてはちょっと置いといて…)。
ちょっと話がズレてる?かもしれませんが… いや、まさに例のメールフォームじゃないですが、動作している以上、本当に刷新が必要なのか否かが重要であり、「古いからヤダ!新しいのがいい!」という理由で無謀なリファクタをすべきでは無いです。そして、今のシステムに何が必要かを判断するためには、その古い技術がどういうものであり、どういう課題を解決するために新しい技術が生まれたかを知っていることが大きなポイントであり、そのエッセンスがふんだんに含まれた発表内容だったと感じました。こういう話は、私も後輩に伝えてあげないといけないなあと思いました。(と言っても、ぼくも2008年頃からのスタートだからまだ若い…ような気がする…)
はてなシステムの考古学
@motemenさん発表。これもまた、はてなというシステムに対する歴史のお話。実に興味深い内容がたくさんありました。メモ不足でしたが…
最後の方で、以下の言葉の引用がありましたが、
なんか、今の自分の組織では上手くこれが回っていないなあと発表を聞いていて思いました。暗黙知のままずーっと保持されて人が居なくなるたび失われる… まずは考古学ができる下地が無いと温故知新も難しいのかもなあ…としんみりした感じになってました… さすがにこのスライドは公開されないですかね…?
LT
@makamaka さんのが凄かったです。Perlの話だったし!?間違いなく一番笑いをとっていたはず。見習いたい(そこをかよ)。
温故知新 (Keynote)
竹迫 良範さんの発表。なんかもう盛り沢山で消化しきれなかった感がありますが。
まずDirpcapは後で触ってみる。パケット見る必要のあるお仕事なので…
Dripcap - ☕️Caffeinated Packet Analyzer
アセンブラ短歌とか、パンチカード読めますよね、とか…レベル高杉内。この辺はちょっと追いつけない感がありましたね…
最近の若者の「01」離れwww#yapcjapan
— ごま (@gomaaburamax) March 4, 2017
若者ってどのあたりまで含まれるのかな…1983年生まれは…ただの知識不足ですかそうですかつらい。
マインスイーパーのデモ。これがたまたま見てたんですよね。
なんかマインスイーパの発表知ってるなと思ったら、そう言えばYouTubeで見たんや。#yapcjapanhttps://t.co/QB7amN6FLP
— 聖 (@hijili2) 2017年3月4日
2011年なんてYAPCの"や"の時も知らなかったんで知らないはずだけどなあ…と思い返していたらこんな動画を見ていたことに気づきました。ここに来て、生で聞けるなんて結構すごいことだなあと思いました。温故知新とは違う気がするけど、わりと感動した。
少なからず、情熱をあれだけ注げることがやっぱ凄いんですよね。その辺りが自分に一番足りない部分だとは思うのですが、こればかりは性格的な部分もあるので難しい… でもこういう発表を聞くのはすごく楽しいので、情熱を分けてもらう、刺激をもらう、的な意味でもすごくいい発表を聞けたと思いました。
まとめ
あー、疲れた。やっぱ書きたいこと全部書こうとすると時間かかっちゃいますね…
なんにせよ、やっぱりYAPCは楽しいです。最初にちゃんと覚えた言語は間違いなくPerlですし、その最初の頃(今もな気がするけど)お世話になった御本人様がたのお話を聞けるという凄く良い機会でした。既に次回の YAPC::Fukuoka 2017 HAKATA が決まっているということで、これはもう行くしかないよなあという気持ちで一杯でございます(まだ購入はしておりませんが)。
本当にいい話をして頂いたスピーカーの皆様、そして、YAPCを支えるスタッフの皆様、マジで毎度ありがとうございます。こんな短期間で開催してもらえるのが凄いです。いきものがかりのライブくらいしか旅行の動機が無かった私にとって本当にありがたいです(しらねーよ)。
ぼくももっと素敵なPerlフレンズになれるよう精進いたします…
すごーい!やーぷしー! #yapcjapan pic.twitter.com/AHfG5RWYGB
— 聖 (@hijili2) 2017年3月4日
明日は千鳥の漫才を見てから帰ります。どうもお疲れさまでした。