お久しぶりです、そしてあけましておめでとうございます。
もう一ヶ月前になりますが、YAPC::Asia改めYAPC::Japanとしての第一弾、YAPC::Hokkaido 2016 SAPPORO に思い切って参加してきました。神奈川在住なんですが、普通の土日に冬の北海道まで行くのはさすがに厳しいか…とは思ったものの、「スピーカーに @miyagawa さん呼んでおけば50人ぐらい増えるだろ」枠として頑張って参加しました(笑) 遅まきながら、聞かせて頂いたトークなどを交えて簡単にまとめておこうかと思います。
まともなレポートについては以下を読んでもらう方がよいと思います。
まずは天候との戦い
前日入りしないとキツイなあとか、関ジャニの札幌ドームライブが重なってホテル空いてねえとか諸々ありましたが、最大の敵は10年振りの記録的な大雪でした。
札幌の10日の最深積雪は65センチに達しました。積雪が65センチ以上となるのは12月上旬としては1987年以来29年ぶりでした
会場へ行く途中の札幌市街、および会場付近。
♪行きも帰りも結構な欠航、でもYAPCは決行、会場への道は雪との決闘(1~3スベリ)
とかおかしなテンションで口ずさんじゃいましたよ。もう笑うしかない雪でしたね。私の便は行きも帰りも運良く飛べたのですが、帰りの便が、元々21:00 発だったのが2時間ほどおして羽田に着いたのが深夜0時過ぎ… そこからタクシーの行列に並び、家に着いたのは3:00前でしたね… それでも、欠航で帰れなかった方々に比べたら全然良かったと思いますが。久々に、自然の厳しさを実感する機会になりました。さすが試される大地…
あ、あと靴は滑り止めが着いたものを最低限用意すべきと思いました。悩んだけど前日に買って履いていってマジよかった。降った後は凍ってスベりまくります、いや、ダジャレ言ってるからだろ、とかじゃなくて。
以下、聞いたお話についてちょこっと書いていきます。
HTTP/2の課題と将来
スライド:http://blog.kazuhooku.com/2016/12/http2yapc-hokkaido.html
HTTP/2の情報は大体Perlカンファレンスで得てる。#yapcjapanA
— 聖 (@hijili2) 2016年12月10日
ほんとコレに尽きる。本当にありがたい。
HTTP/2の通信はもう1/3を占めてきているが、まだ技術課題が残っており、それに対するお話。HTTP/2ならずとも、TCPバッファの話とかは通信一般の話として勉強になりました。CDNとか使うにあたり、PUSHも意識しないといけないなあと思いました。正直、細かい部分は咀嚼しきれてないですが、こういう話があることを知っているだけでかなりプラスになると思いました。
2016年のPerl
スライド:http://www.slideshare.net/charsbar/2016perl-long-version
Perl6 と Web 開発と
スライド:https://docs.google.com/presentation/d/15op4A2s1aCSorX81myYukE2OnMGAx6AzR3Y0kj-iF2Y/embed?slide=id.p
Perl 5.24 とか、Perl6の話だったわけですが… 私の業務環境、CentOS5ベース(Perl 5.8.8)で…今度、やっとCentOS7ベース(Perl 5.16.3)に上げる(はず)という状況なもので…遠い未来の話でした。でも、LINEアプリなら言語バージョンが古くても作れる!やったね!
Number Unlimited
スライド…は無いけど関連URLはこちらの発表リンクから:https://yapcjapan.org/2016hokkaido/timetable.html
※今気づいたけど各スライドへのリンクは上記ページに貼られてましたね
コンピュータ(Computer)は「計算機」、「計算」が扱うのは「数」である、ということで、各言語の数の扱いについて解説いただきました。ただ、厳密な小数や素数を未だ使う機会が無いのでピンと来なかった部分もあります… 機械学習とか始めるとそんな機会もあるのかしら(4スベリ)
というか、Perlのインタラクティブシェル的な使い方( $ perl -dE 1 )から知らなかったです… 2004年からやってるのか…
ちなみに、@dankogaiさんはポケモンGO TL35でした、すげえ。私は28です。メタモンまでは捕まえましたが、もうフェードアウト気味です(余談すぎる)。
10年モノ熟成Perlとの付き合い方
スライド:http://www.slideshare.net/masaki/10perl
今回一番共感した発表でした。同じような業務をやっている今日この頃なので… この課題に一人で取り組まれているということで、物凄く大変そうだなあと思ったり。懇親会でもお話させて頂きましたが、元々、私の会社と同規模(?)の競合企業におられたということで、その辺りの体験も似ていました…また一歩転職したくなった。そして、この点は本当に見習いたい。
ここまで継続させてきた先駆者の実績をリスペクトしましょう
歴史的な経緯があると、なんだこのクソコード!と言いたくなることもしばしばあるのですが、実際このコードが商品・サービスを動かしてきたから自分が雇われている、と思わなければいけないと反省いたしました。頑張ってクソ古いCPANとか更新していきます。JSON.pmが動かなくなっても直します。
AndApp RPGツクールMVの舞台裏とSPAの運用について
RPGツクールMVで遊びたくなった。でも、予想以上にFFXVにハマってしまっている身としては、ここにも手を出すのは、やっぱつれぇわ。
技術的な部分でも、Web業界ってやっぱ色々進んでるなあと感じました。一つ前の発表も踏まえるとそこに追いつくのも一苦労なんだよなあとしみじみ思ったり。やっぱつれぇわ。(言えたじゃねえか)
今から始めるMicrosoft Azure - Dive into Azure
うーむ、Microsoftさん打って出てるなあ、という動画からスタート。データセンターの広大な予定地など見せられてしまうと平伏する気しか起きない。色々ご説明頂いたのですが、やっぱ使わないとダメですね、まだ各種クラウドがピンと来てない自分がいる、マズい。それは次のスペシャルセッションでも痛感することとなる…
スペシャルセッション「今さら聞けない、でも聞きたい。クラウドの過去・現在・未来」
AWSからは荒木靖宏さん、さくらインターネットからは田中邦裕社長、Azureは久森達郎さん、GCPからは千歳滑走路封鎖のため飛行機が旋回して戻ってしまったけどリモートで参加の福田潔さん、司会が技術評論社の馮富久さん、というスペシャルなセッションでした。セッション中も言われていましたが、この4つのクラウドサービスの担当者が揃って話をするってそうそう無いですよね。
60分のセッションのエッセンスを簡単に拾ってみると、
・クラウドに諸々を預けることに対する"安心感"は課題、安全性と分けて両立させる必要がある
・犯罪捜査時のデータ要求に対する判断は各国の法律に基づくため、リージョンによる事情も様々あるらしい。
・各社に様々な視点やオススメがありワケガワカラナイヨ目的用途に応じて使いわける必要がある。ちなみに、「日本に対するイチオシサービスをあえて1つ挙げるなら?」に対しては、以下のような回答がありました(担当者および私の個人的なニュアンスを含むのでその辺ご理解ください)
GCP: App EngineとBigQuery、インフラ管理を無くすという流れにおいて特徴的なサービスとのこと
AWS: S3、沢山のサービスが存在するがそのほとんどがS3と関連するため
さくら: GPUクラスタと国内向けCDN、クラウドはもっと贅沢に使うべき。また、ゲームなどはグローバルを意識する必要があるだろうが、自治体など国内で閉じるものもあるためそのような視点として国内向けもある
Azure: AppService, 開発ツール系、開発全体サイクルの中で使えるサービスが特徴的。生産性も考えてみてほしい。
また、日本は各社がリージョンを置いている特異な国であり、日本語でも沢山の情報が得られるのでもっと利用すべきという話もありました。確かに、そう考えると使わないのが勿体無い感じになってきます。
・Q:Webコンソール遅いんですけど…
さくら: 歴史的経緯でAPI無い…汎用性維持のために難しい部分もあるが頑張ります...
こんなところでしょうか。もっと色々な話はあったかと思いますが。にしても、さくらインターネットさんがこの3社に肩を並べて話しているのが凄いなあと思いました。さすがに最後の質問のような部分で差を見せつけられるような点は沢山ありますが、ともすると弱みになる部分を特徴に変えて戦うところが勉強になりました。なにはともあれ、やっぱりもっと積極的に利用しないとなあと、今更ながら再認識いたしました。
モジュールメンテナンスを通して感じる最近の Perl
スライド:https://speakerdeck.com/syohex/yapc-hokkaido-2016
Perlモジュールのメンテナンスの話ですが、やはりここでもPerlの盛り下がりが語られておりました。私もPython勉強しようと思いました(違)
メンテナンスのためにサポート対象を減らす、という話で、「なんでPerl 5.8なんだよ、そっちが上げろよ」(会場笑い)という流れがありましたが、笑えなかったぜ… 結局、どこも古いまま動かさざるをえない状況を作ってしまっているんですよね… 以下なんかはPerl5.8延命のお知らせですからね。
メンテナの方の負荷にもなるし、やはり今後は簡単にアップデートできるような構成を念頭に置かないといけないですね。その一つの手段がクラウドではありますかね(クラウドにすれば解決するとは言っていない)。
LINE Bot on the Perl
スライド:http://www.slideshare.net/kazuhiroosawa/line-bot-on-the-perl-yapchokkaido-ver
なんか、今回のYAPCではサブリミナル的にLINE Botの話が入ってきた印象があります。2016年4月頃にザワついたときにも興味はあったのですが、正式版でしかもコンテストがあるということなので、少し手を出してみようかなと思いました(がモノができるとは言っていない)。アイデアを出すことがまず難しい…
Delivering a CDN
待ってましたのmiyagawaさん発表。悲しいかなノートPCのバッテリーが終了してしまいメモを残せなかったのですが… 今の時代 toggetter 見ればいいよね。
,j;;;;;j,. ---一、 ` ―--‐、_ l;;;;;; {;;;;;;ゝ T辷iフ i f'辷jァ !i;;;;; CDNなんて開発して面白いのかな・・・ ヾ;;;ハ ノ .::!lリ;;r゙ `Z;i 〈.,_..,. ノ;;;;;;;;> そんなふうに考えていた時期が ,;ぇハ、 、_,.ー-、_',. ,f゙: Y;;f. 俺にもありました ~''戈ヽ `二´ r'´:::. `!
というような話でした(分かるか)。
安定稼働が必要とされるサービスでいかに継続的にリリースするか、という感じですが、まさに私がやっている業務と共通する部分が多くてためになりました。DarkLaunch(一部のユーザに先行リリース)はやっぱみんなやるんだよね。リリース後の監視は24時間で足りるのか?とも思いましたが、そこら辺はどういうサービスかにも依存しますよね。他にも、局所的にリリースするとか、リリース後に監視するとか、課題認識は同じだなあと思ったのですが、具体的に何を監視するかっていうのがかなり難しいところだろうなとも思います、提供するサービスによって全然違う部分も出ますしね。
まあ、ただのrebuild.fmファンなので、生で聴けただけで満足した感もありました笑 今年もsupporter継続しております。
最後に
私にとって初の北海道、そんな中大雪に見舞われるなど色々ありましたが、会場に入れば非常に快適で楽しいYAPCでした。スタッフの皆様、本当にありがとうございました。地方開催は、食べ物が美味しかったり、旅行のきっかけとしても良いと思いました(事前調査してなかったため寿司をが食えなかったことが悔やまれる…)YAPC::Kansaiも是非行きたいです。
寒い寒い寒い綺麗寒い寒い寒い pic.twitter.com/uIsKGFcEgU
— 聖 (@hijili2) 2016年12月10日